証券税制について

上場株式等の税金

<上場株式等の範囲>

(1)
上場株式
(2)
公募株式投資信託
(3)
ETF
(4)
上場REIT(REIT)
(5)
特定公社債等      など

上場株式等とは、上場株式(外国株式を含む)など右表に該当するものを指します。なお、(2)公募株式投資信託については独自の取扱いの部分が比較的多いため、詳細は、「投資信託ー2.株式投資信託」でご確認ください。
また、2016年1月1日からは上場株式等の範囲が拡大され、(5)特定公社債等(特定公社債や公募公社債投資信託等)も上場株式等に含まれることになりました。詳細は、「債券ー債券(公社債)の税金」、「投資信託ー1.公社債投資信託」でご確認ください。

投資信託ー2.株式投資信託
債券ー債券(公社債)の税金
投資信託ー1.公社債投資信託

1.上場株式等の譲渡所得に対する税金

証券会社を通じた上場株式等の譲渡益は、譲渡所得※として税率20.315%の申告分離課税の対象となります。税率の推移は下表のとおりになります。

上場株式等の譲渡所得に対する税率

上場株式等の譲渡益に対する税金 イメージ

(注)
2013年1月1日~2037年12月31日までは、所得税額に対して復興特別所得税額(所得税額×2.1%)が課されます。
その年の分だけであれば、年間の譲渡益=譲渡所得となりますが、前年以前の譲渡損失を繰り越している場合には、譲渡益-繰越譲渡損失=譲渡所得となります。

<取得価額が不明な場合>
取引している証券会社の顧客勘定元帳等で上場株式等の取得価額が確認できない場合、株式異動証明書等で名義書換日が判明すれば、その日の終値を取得価額※とすることもできます。また、「売却代金×5%」を概算取得費として申告することも認められています。

その後に株式分割等があれば、分割割合に応じて取得価額を調節する必要があります。

【国税庁のHPに「上場株式等の取得価額の確認方法」が掲載されています。】

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/joto-sanrin/kabushiki_shutoku.pdf

2.上場株式等の配当等に対する税金

上場株式等の配当等(2016年1月1日からは特定公社債等の利子・分配金を含みます。)については、支払時に20.315%の税金が源泉徴収※されます。その後、配当所得として確定申告を行うのが原則ですが、源泉徴収のみで課税関係を終了させる申告不要制度を選択することもできます。申告不要制度を選択するには、特別な手続きは必要なく、配当等に関する確定申告をしなければ、自動的に申告不要制度を選択したことになります。

外国株式等、外国で源泉徴収されている税金がある場合には、外国で源泉徴収後の金額から20.315%の税金が源泉徴収されます。なお、外国で源泉徴収されている一定の税金は外国税額控除の対象になります。
上場株式等の大口株主(発行済株式等の総数等の3%以上を保有する個人株主)等の配当等に対しては、申告分離課税の適用はなく、20.42%(所得税および復興特別所得税)の税金が源泉徴収され、総合課税として確定申告の対象になります。ただし、所得税については、1銘柄当たり1回に受ける配当等が10万円×(配当計算期間※の月数/12)以下の場合には申告不要制度を選択することもできます。
※配当等の計算期間が12月を超える場合は12月として、1月未満の場合は1月として計算します。

源泉徴収税率の推移は下表のとおりになります。

上場株式等の配当等に対する源泉徴収税率

上場株式等の配当等に対する税金 イメージ

(注)2013年1月1日~2037年12月31日までは、所得税額に対して復興特別所得税額(所得税額×2.1%)が課されます。

申告不要制度は、配当等の支払いの都度、選択することができますので、同一銘柄であっても、期末配当は申告不要、中間配当は確定申告、ということも可能です(特定口座に受入れている場合は口座ごとの選択になります。)。なお、上場株式等の配当等には上場株式の配当金、みなし配当および公募株式投資信託の分配金等が含まれます。

また、確定申告をして、総合課税か申告分離課税※のいずれかを選択することも可能です(確定申告の際には支払通知書(特定口座(源泉徴収あり)に受入れている場合は特定口座年間取引報告書)を添付することが義務付けられています。)。

大口株主(発行済株式等の総数等の3%以上を保有する個人株主)等には配当所得に対する申告分離課税の適用はありません。

<総合課税を選択した場合>

配当控除の適用を受けることができ、所得税の税率は他の総合課税の所得と合算して決まります(所得税および復興特別所得税の税率は最低5.105%~最高45.945%)。住民税(所得割)は一律10%です。詳細は、「5.配当控除」でご確認ください。

<申告分離課税を選択した場合>

税率は源泉徴収税率と同じ20.315%になり上場株式等の譲渡損失との損益通算を行うことができます。詳細は、「3.上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との損益通算」でご確認ください。

3.上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との損益通算

証券会社を通じた上場株式等の譲渡損失は、2009年1月1日以後、確定申告をすることによって、上場株式等の配当等と損益通算ができます。なお、2016年1月1日からは特定公社債等も上場株式等に含まれますので、特定公社債等の譲渡損益や利子等との損益通算も可能になりました。詳細は、「債券ー債券(公社債)の税金」、「投資信託ー1.公社債投資信託」でご確認ください。

また、特定口座(源泉徴収あり)内に上場株式等の配当等を受入れている場合には、特定口座(源泉徴収あり)内で上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との損益通算※が行われます。損益通算は、特定口座内の譲渡損失額が確定した年末の段階で行われるため、配当等の支払時には、税率20.315%の税金が一旦源泉徴収されます。年末の損益通算の結果、還付される税金がある場合は、翌年初に当社のお客さまの口座に入金されることになります(譲渡損失が他社の特定口座(源泉徴収あり)の場合には確定申告が必要になります。)。

国内上場株式等の配当等(ETF、REIT等の分配金を含みます。)については、「株式数比例配分方式」を受取方法に選択した場合のみ受入れが可能になります。その他の受取方法を選択していて損益通算をする場合には、別途、確定申告が必要です。

一方、特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の譲渡損失と損益通算する場合には確定申告が必要になります。

確定申告による主な影響

4.上場株式等の譲渡損失の繰越控除

証券会社を通じた上場株式等の譲渡損失は、その年の配当等と損益通算をしてもなお控除しきれない場合には、確定申告をすることによって、譲渡の翌年以後、最長3年間にわたって各年の上場株式等の譲渡所得(利益)から控除することができます。2016年1月1日からは公募株式投資信託やREIT等に加えて、特定公社債等も上場株式等に含まれますので、これらの譲渡損失も対象になります。
なお、繰越控除の適用を受けるためには、譲渡損失が発生した年から繰越控除を受ける年まで継続して確定申告をする必要があります。

【例】2013年の100万円の譲渡損失を繰り越した場合

上場株式等の譲渡益に対する税金 イメージ

復興特別所得税を含んだ納税額です。
控除対象配偶者等に該当するかどうかを判定する合計所得金額は、繰越控除前の金額になるため、繰越控除を利用すると配偶者控除等に影響を与える場合があります。

5.配当控除

国内株式の配当等について確定申告をして総合課税を選択した場合には、税額控除としての配当控除を受けることができます。配当控除率は課税総所得金額※が1,000万円以下の部分と、1,000万円超の部分で異なります。なお、REITの分配金および外国株式の配当等は配当控除を受けられません(外国株式の配当等は外国税額控除を受けられる場合があります。)。

「課税総所得金額」とは、総所得金額、分離課税の長期(短期)譲渡所得の金額、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額および先物取引に係る雑所得等の金額から、所得控除の合計額を差し引いた金額の合計額をいいます。

具体的には下表のとおりになります。

課税総所得金額と配当控除率(株式)

上場株式等の譲渡益に対する税金 イメージ

なお、配当控除を受けることによって所得税額が減額される場合には、減額された所得税額に応じて復興特別所得税額も減額されます。

また、株式投資信託の収益分配金も配当控除を受けられる場合があります。詳細は「投資信託ー2.株式投資信託(配当控除)」でご確認ください。

投資信託ー2.株式投資信託(配当控除)

6.特定口座

特定口座とは、個人投資家が上場株式等の譲渡損益等の申告・納税を行う際の負担を軽減するために設けられた制度です。2016年1月1日からは上場株式等の範囲が拡大して、特定公社債等も受入れが可能になりました。特定口座には、簡易申告口座(源泉徴収なし)と源泉徴収選択口座(源泉徴収あり)との2種類があり、1金融機関につき、どちらか1口座の開設が可能です。
なお、特定口座と一般口座で同じ銘柄を保有している場合には、取得価額は別々で管理されますので、特定口座内の譲渡損益と一般口座内の譲渡損益は一般的には異なることになります。

上場株式等の譲渡益に対する税金 イメージ

特定口座の種類

特定口座(源泉徴収なし)

金融機関は、特定口座で取得した上場株式等の取得価額の管理や特定口座内の譲渡損益の計算のみを行い、申告・納税は個人投資家が行います。確定申告の際には、金融機関から送付される「特定口座年間取引報告書」を添付して、簡易に確定申告することができます。
なお、「源泉徴収なし」から「源泉徴収あり」に変更する場合には、その年の最初の売却※までに所定の手続きが必要です。

償還および公社債投資信託(MRF等)の解約等を含みます。

特定口座(源泉徴収あり)

金融機関が、特定口座で取得した上場株式等の取得価額の管理や特定口座内の譲渡損益の計算を行います。特定口座内の譲渡所得(譲渡益)からは20.315%の税金が源泉徴収されるため、この所得については原則として確定申告が不要です。ただし、他の特定口座や一般口座の譲渡損益と通算する場合や譲渡損失の繰越控除の特例の適用を受ける場合には、金融機関から送付される「特定口座年間取引報告書」を添付して確定申告をする必要があります。
なお、「源泉徴収あり」から「源泉徴収なし」に変更する場合には、その年の最初の売却※または配当等の受入れまでに所定の手続きが必要です。

償還および公社債投資信託(MRF等)の解約等を含みます。

特定口座での買付時の注意点

同一銘柄を同一約定日に売買した場合には、売買ごとの約定時間に関係なく、「買→売」の順で約定したものとみなして取得価額や損益が計算されます。

【例】2016年1月20日にA株式を700円で1,000株購入。2016年4月15日に1,000円で1,000株売却した後、同日に960円で1,000株を再買付けした場合(株式売買手数料等は考慮していません)

a.2016年4月15日に買付けをした後の取得価額
(700円 × 1,000株)+(960円 × 1,000株) = 1,660,000円
 〔平均取得単価   1,660,000円 ÷ 2,000株 = 830円〕

b.2016年4月15日に売却した時の譲渡益の計算
(1,000円-830円※)× 1,000株 = 170,000円
※取得単価は2016年1月20日に買付けをした700円ではなく、平均取得単価830円になります。また、960円で買付けをした株式の特定口座上の取得単価も830円になります。

上場株式等の配当等の特定口座(源泉徴収あり)への受入れ

2010年1月1日以後、上場株式等の配当等を特定口座(源泉徴収あり)に受入れることができるようになりました(国内上場株式等の配当等(ETF、REIT等の分配金を含みます。)については、「株式数比例配分方式」を受取方式に選択した場合のみ対象になります。)。受入れられた配当等は年末の段階で特定口座内の譲渡損失と損益通算が行われますので、その結果、還付される税金がある場合は、翌年初に当社のお客さまの口座に入金されます。つまり、確定申告をしなくても、損益通算による税金の還付を受けることが可能です。
なお、2016年1月1日以後は、特定公社債等の利子・分配金も受入れることが可能になりました。

特定口座で保有している上場株式等が上場廃止等により無価値化した場合

特定口座で保有している上場株式等が上場廃止等になったときに特定管理口座を開設していれば、原則として、特定管理口座で管理されます。2016年1月1日以後、特定管理口座で管理されている上場株式等が清算結了等により、価値喪失株式等に該当し、それを証明する書類が発行された場合には、その書類を添付して確定申告をすることにより、上場株式等の譲渡損失とみなして、上場株式等の譲渡益や配当等との損益通算および繰越控除の対象とすることができます。

7.邦貨(円貨)換算

配当等 購入売却 償還
TTB TTS TTB TTB

外国株式等を外貨で売買する場合の損益や配当等を受取る場合には、邦貨(円貨)で認識して税金が計算されます。その場合の邦貨換算レートは右表のとおりになります。
なお、邦貨(円貨)で取引する場合には、それが換算額であり、改めて邦貨(円貨)換算する必要はありません。

8.NISA[少額投資非課税制度]

2014年1月1日よりスタートした制度です。20歳以上の居住者等がNISA口座を開設して、上場株式、公募株式投資信託等を購入した場合、その配当金・分配金や譲渡益がその投資を行った年から5年目の年末まで非課税になるという制度です。年間投資額は当初100万円が上限でしたが、2016年1月1日からは120万円に引き上げられました。

NISAの概要およびイメージ図は以下のとおりです。
<概要>

項目 内容 留意点
利用可能な方 20歳以上の居住者等 年齢は口座を開設する年の1月1日時点
口座開設数 1人につき1口座(一金融機関)のみ 金融機関を変更した場合を除きます
口座開設期間 2014年から2023年までの10年間
非課税対象 上場株式、公募株式投資信託等の配当金・分配金や譲渡益 国内上場株式等の配当等(ETF、REIT等の分配金を含みます)については「株式数比例配分方式」を受取方法に選択した場合のみ非課税になります
非課税投資額 毎年、新規投資額で120万円を上限
(2015年12月まで100万円)
未使用枠の翌年以降への繰り越しはできません
非課税期間 投資した年から最長5年間 非課税投資総額は最大600万円(年間120万円×5年)です
途中売却 自由 売却部分の非課税投資枠は再利用できません
NISA口座での損失 譲渡損失が発生しても、他口座との損益通算はできません NISA口座では、譲渡損失はないものとされます

2016年から施行されている主な内容ー2.NISAの投資上限額の引き上げ 

イメージ図

NISA特設サイト

9.ジュニアNISA[未成年者少額投資非課税制度]

2016年1月1日より新たに創設された制度です。20歳未満の居住者等がジュニアNISA口座(未成年者口座)を開設して、上場株式、公募株式投資信託等を購入した場合、年間投資額80万円を上限として、その配当金・分配金や譲渡益がその投資を行った年から5年目の年末まで非課税になるという制度です。

ジュニアNISAの概要およびイメージ図は以下のとおりです。
<概要>

項目 内容 留意点
利用可能な方 20歳未満またはその年に出生した居住者等 年齢は口座を開設する年の1月1日時点
口座開設数 1人につき1口座(一金融機関)のみ 金融機関の変更はできません
口座開設期間
(投資可能期間)
2016年1月1日から2023年12月31日まで
( 2016年4月1日から2023年12月31日まで)
非課税対象 上場株式、公募株式投資信託等の配当金・分配金や譲渡益 国内上場株式等の配当等(ETF、REIT等の分配金を含みます)については「株式数比例配分方式」を受取方法に選択した場合のみ非課税になります
非課税投資額 年間80万円を上限 未使用枠の翌年以降への繰り越しはできません
非課税期間 投資した年から最長5年間 非課税投資総額は最大400万円(年間80万円×5年)です
途中売却 自由 売却部分の非課税投資枠は再利用できません
ジュニアNISA口座での損失 譲渡損失が発生しても、他口座との損益通算はできません ジュニアNISA口座では、譲渡損失はないものとされます
払出制限 18歳まで※は、払出し制限が課されている
(災害等やむを得ない場合には、非課税での払出しが可能)
災害等やむを得ない事由以外により払出しをする場合には、全額払出しのみ可能とされ、未成年者口座・課税未成年者口座での配当金・分配金 や譲渡益の純利益に対して、20.315%の税金が遡及して課税されます。
その年の3月31日現在において、18歳である年の前年12月31日(例えば、高校3年生の12月31日)まで

 イメージ1

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  • 記載の内容は、個人投資家(居住者または国内に恒久的施設を有する非居住者)に対する証券税制の一般的な説明を目的としております。法律上または税務上の個別具体的な取扱い、判断等は弁護士ならびに税理士または最寄りの税務署等にご相談ください。
  • 金融商品等の取引や税務申告の結果、税金以外の国民健康保険料等における取扱いに影響を与える場合があります。詳細については、お住まいの市区町村等でご確認ください。
  • 記載の内容は、2016年9月1日現在の法令等に基づいて作成しておりますので、今後の法令改正等によって内容が変更となる可能性があります。また、信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。

2016年9月 作成
監修/税理士法人 新宿総合会計事務所

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